子どもの貧困対策として、自治体などが無料で勉強をサポートする「学習支援事業」について、対象自治体の7割以上が事業を実施または予定・検討していることが、NPO法人の調査でわかった。事業を利用する中学生の5~6割ほどが、勉強や友人関係、将来への見通しで良い影響を実感している結果も出た。
学習支援事業
は、2015年に施行された生活困窮者自立支援制度をもとに、15年度から本格始動した。都道府県や市など福祉事務所がある901自治体(16年9月現在)が対象で、各自治体が任意で実施する。
若者や子どもの居場所づくりを支援するNPO法人「さいたまユースサポートネット」(さいたま市)が実施状況を調査。昨年11~12月、対象自治体のうち755自治体から回答を得た。48・7%が事業を実施し、今年度から実施予定が7・2%、実施検討中が19・7%だった。厚生労働省の調べでは、16年度は901自治体の46・9%の423自治体が実施した。
自治体の委託などで学習教室という形で事業を実施する団体の一部を通じ、利用する中学生に変化を5段階評価でたずねた。
748人が回答し「以前より楽しいと思うことが増えた」かどうかについて「とてもあてはまる」「あてはまる」と答えた割合は63・7%。同様に肯定的な評価を選んだ割合は「勉強がわかるようになった」62・0%、「友達との仲の良さ」55・7%、「将来の進学に対する見通し」49・4%だった。
同法人の青砥恭(やすし)代表は「事業が勉強を教えるだけの『塾代わり』ではなく、子どもの生活や精神面を底支えするものになっている」と分析。現時点で約半数の自治体が資金や人手不足で事業を実施していないことに触れ「学校では対応しきれない子どもたちを拾い上げる、地域のセーフティーネットという意識を持ってほしい。より多くの自治体で取り組みを広げていくべきだ」と話した。
(松本麻美)
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